タイトル:学生賞 眠れない子ネズミ
上級Ⅰ ラジオドラマ 2025年春学期 2025年6月12日(木)

| 配役 | 氏名 | 
| ナレーター | ルカ(ルーマニア) | 
| 子ネズミ | サリタ(ネパール) | 
| 母ネズミ | リカ(ロシア) | 
| 動物に変化するスライム | ランガ(オランダ) | 
あらすじ
| 小さな子ネズミは寝たくありませんでした。母ネズミは、子ネズミのために子守唄を歌ってもらおうと、いろいろな動物たちを呼びました。でも、子ネズミはどの動物の声も気に入りませんでした。 最後に、母ネズミはネコを呼びました。ネコの声を聞くと、子ネズミはやっと眠りにつきました。しかし、母ネズミが家に戻ってくると、子ネズミの姿はどこにもありませんでした。 実は、それらの動物たちは普通の動物ではなく、スライムだったのです。スライムは、いろいろな動物に姿を変えながら、子ネズミに合う形を探していたのです。そしてぴったりの姿を見つけたあと、たぶん眠った子ネズミを食べてしまいました。 | 
シナリオ
| 配役 | セリフ | 
| 初めまして! 私たちはAクラスのAグループです。 (全員が自分の名前を発表する) 本日は、伝統的なロシアの物語を元にした「眠れない子ネズミ」というラジオドラマを発表したいと思います。 | |
| ナレーター | 昔々、深い森にある小さな小屋で、一匹の母ネズミとその子ネズミが、仲良く暮らしていました。けれどある日の夜、困りごとが起こったのです。子ネズミは、絶対に眠りたくないと泣きました。 | 
| 母ネズミ | チビちゃん、もう目をつぶって…ほら、ねんねしようね。 | 
| 子ネズミ | 寝たくない! | 
| 母ネズミ | あらあら、どうしましょう、どうしましょう…もうこんなに遅いのに…困ったチビちゃんだこと… | 
| 子ネズミ | 子守唄を歌ってくれない? | 
| 母ネズミ | ねんねんころりよ おころりよぼうやは よい子だ ねんねしな | 
| 子ネズミ | 嫌、 毎日 聞いてる子守唄なんて。他の人が良い。 | 
| ナレーター | そんなわけで、母ネズミは考えました。どうすればこの子を気持ちよく眠らせてあげられるのか。そこで彼女は、森の仲間たちに助けを求めることにしたのです。 | 
| 犬のスライム | ワンワン | 
| 母ネズミ | 犬のお兄ちゃん、お願い。チビちゃんがぜんぜん寝てくれないの。子守唄を歌ってくれないかしら? | 
| 犬のスライム | ワンワン!子ネズミちゃんか。子守唄を俺に任せておいて。 | 
| ナレーター | 母ネズミが犬のお兄ちゃんと家へ帰る途中、森から変な音が聞こえましたが、『森の音だろう』と気にしないことにしました。 | 
| 犬のスライム | (子守唄) 毛が長くて柔らかい俺に、安らぎをきっともたらすんだろう。さて、俺の暖かい抱擁の中でぐっすり眠るといい… | 
| 子ネズミ | イヤイヤ..嫌、あなたの声は大きすぎる。他の人が良い。 | 
| ナレーター | さあ、どうしたらよいのでしょう?母ネズミはあきらめることなく、次の動物を呼んでみることにしました。 | 
| 羊のスライム | メエェ | 
| 母ネズミ | 羊のおばあちゃん、チビちゃんがまだ眠らないんです…あなたの優しい声なら、きっと眠ってくれると思って… | 
| 羊のスライム | メエメエ。子ネズミちゃん。おとなしく眠るのじゃ~ | 
| ナレーター | あれ…帰り道で、またしても、どこか同じおかしな音です。 | 
| 羊のスライム | (子守唄) メエエ。優しくてふわふわなあたしの毛は、夢の世界へと引き上げる雲のようだ。 | 
| 子ネズミ | イヤイヤ..嫌、あなたの声は弱いから、寝られない!他の人が良い。 | 
| ナレーター | しかし、母ネズミは諦めません。子ネズミが喜ぶ音を探して、牛のところへ向かいます。 | 
| 母ネズミ | 牛のおばさん、もしかしたら…あなたのその どっしりした声で、チビちゃんを寝かせられるんじゃないかと思って…… | 
| 牛のスライム | モーモー。子ネズミちゃん。まだ眠れないのかしら? | 
| ナレーター | こうして、彼らは一緒に家に帰りました。 | 
| 牛のスライム | (子守唄) 私の低い声が、あなたを安らかな眠りに誘いますように… | 
| 子ネズミ | イヤイヤ..嫌、あなたの声は低いから、寝られない!他の人が良い。 | 
| 母ネズミ | あらまあ……いったい誰なら気にいるのかしら…… | 
| ナレーター | 子ネズミはどの声にも満足できませんでした。大きすぎる声、小さすぎる声、低すぎる声…母ネズミはどうしても十分な声を見つけることができませんでした。それでも母ネズミは諦めずに、雄鶏じいさんのところに行きました。 | 
| 母ネズミ | 雄鶏じいさん……チビちゃんが、まだ全然寝てくれなくて……その、朝じゃないけど……子守唄、お願いできますか? | 
| 雄鶏のスライム | コケコッコー!子ネズミちゃん、どうしたのだ?眠らなきゃいけないよ! | 
| ナレーター | そこで、母ネズミは雄鶏を家に連れて帰りました。 | 
| 雄鶏のスライム | (子守唄) 全ての心配ごとを忘れ、私の軽くて綺麗な羽をご覧あれ!! | 
| 子ネズミ | イヤイヤ嫌、あなたの声は怖いから、寝られない!他の人が良い。 | 
| ナレーター | 他に…誰かいないのでしょうか?母ネズミは最後の望みを胸に、もう一度森に行きました。 | 
| 母ネズミ | 誰か……誰か、チビちゃんを眠らせてくれる人はいませんか〜〜!? | 
| 猫のスライム | おおおほほほほー。こんにちは〜。今夜はお困りのようね~ | 
| 母ネズミ | は、はい……猫お姉さん、チビちゃんが眠れなくて……いろんな動物たちにお願いしたんですけど…… | 
| ナレーター | 母ネズミは希望を持って猫のお姉さんと家に帰りました。 | 
| 猫のスライム | ニャーニャー。あたしは側にいるから、安心して眠りなさい~ | 
| 猫のスライム | (子守唄) 私のエレガントな存在感と誘惑的な声があなたを美しい夢へと導きますように~✨おおほほほほ~ | 
| 子ネズミ | あなたの声は優しいから、眠れそうです。 | 
| 母ネズミ | はぁ〜……やっと寝てくれた……ふぅ、これでやっと、自分のことができるわね…… | 
| ナレーター | 子ネズミがようやく眠りについたことを喜び、母親は静かに小屋を出て行きました。 | 
| ナレーター | ところがそのとき。小屋の中から、またしてもおかしな音が聞こえてきたのです。まるで、不気味な音… | 
| ナレーター | 小屋の中には、もうネコの姿はありませんでした。ただ…そこにいたのは、恐ろしい、ぬるぬるした緑色のスライム! | 
| スライム | ひひひ。美味しかったなあ。バカなネズミが | 
| ナレーター | そう、今までのみんなは動物なんかではありませんでした 。実はみんな、この醜い 醜いスライムだったのです !いろんな姿に変身してネズミたちに近づいてきたのでした !そして 、あの猫。あの優しい声の裏に、こんな恐ろしいものがいたなんて! | 
| ナレーター | 母ネズミはその不思議な音を聞いて、急いで家に帰りました。しかし、到着した時には、もう誰もいませんでした。もう遅すぎました。ただ、遠くからひどい笑い声が聞こえるだけでした。 | 
| 母ネズミ | ……チビちゃん?どこ……?……あれ……おかしいわね……どこ行ったのかしら……?……チビちゃん……? | 
| スライム | おおおほほほほ~。ほほははっはははあああぁぁッ! | 
| ナレーター | そして――すべてが終わりました。小屋には、母ネズミの涙だけが残されていました。 | 
