2025年5月 進学担当 吉沢猛
2年、1年6ヶ月あるいは1年間の日本語学習などの成果として、それぞれの学生が進学を、あるいは就職を決めて、新宿日本語学校を卒業していきました。目標とした日本語能力を身につけて帰国した学生も多くいます。
大学院進学のためには専攻分野の専門知識を再確認して、日本語あるいは英語で研究計画書を書き上げます。大学・専門学校進学のためには、志望理由や志望動機の作文を、基本的には日本語で書きます。
就職活動を始めるには、履歴書、職務経歴書、エントリーシートなどを日本語あるいは英語で書く必要があります。
卒業生ひとりひとりの努力によって、次のステップに進んでいます。
(1)大学院進学
日本語能力試験(JLPT)のN1取得を求める大学院が増えています。また、TOEFL 、TOEIC 、IELTSなどの得点が必要な大学院もあります。
東京大学、東京芸術大学、東京外国語大学、大阪大学、早稲田大学、慶應義塾大学、関西大学、上智大学など、難関な大学院にも進学しています。大学院での研究領域も文系、理系、文理融合分野など幅広いです。たとえば、宇宙工学、環境工学、国際法学、グローバルスタディーなど専門領域も広いです。
(2)大学進学
京都工芸繊維大学、公立鳥取環境大学、九州産業大学など、新宿日本語学校の卒業生としては、初めて進学する大学もありました。首都圏をはじめ、大阪・京都・九州などの大学にも進学しています。また、国学院大学、神道文科学部神道文化学科、お茶の水女子大学、学術・表現行動学科(研究生)など、留学生があまり進学しない学部、学科に進む学生もいました。
日本の大学進学のための日本留学試験(EJU)における必要な得点基準も上昇しています。EJUの科目は文系で日本語、総合科目、数学です。理系では、日本語、数学、理科(物理、化学、生物のうち2科目)が必要です。TOEFL 、TOEIC 、IELTSなどの、英語の得点が必要な大学もあります。さらに、JLPTのN1、N2を必要とする大学もあります。
日本には多くの大学があり、広い分野の専門があります。自分が学びたい学部、学科から大学を選んで受験してください。
(3)専門学校進学
いろいろな分野へ進学しています。自分が何を学び、2年後あるいは3年後に自分が働く姿が想像できる分野の専門学校に進学して下さい。
めざす専門学校のオープンキャンパス、学校説明会などには必ず参加して下さい。自分が学ぶ学校のことを知ることが大切です。
確実に日本語力を身に着け、しっかりと受験の準備をして下さい。JLPTのN2、N3の取得も自信になります。
そして、一番注意しなければならないことは、新宿日本語学校の出席率です。基本的には、出席率は90%以上です。
東京には多くの専門学校があります。分野によっては、大阪など東京以外の学校を希望する学生も増えてきました。
(4)日本での就職
日本での就職は、基本的には母国の大学・大学院卒業が条件です。
母国で、高等学校卒業の場合、特定技能での就職が可能ですが、分野ごとの専門の試験の受験が必要です。日本語での出題であり、日本語能力の向上とともに、早い時期の準備が必要です。試験も早く合格者は少数です。ここ数年、新宿日本語学校を修了して、日本で働く留学生は増えています。就職先の会社の業種も広いです。東京以外で働く人も増えています。
日本語能力、他の語学力。母国・他国での職歴。日本で働くための必要な条件は色々あります。JLPTのN1、N2があれば有利です。
本年度の就職決定者数は昨年より増えています。