• 上級Ⅰ進学「作文」 2024年秋学期

    AIについて

    テルミ(カザフスタン)

     最近、AI(人口知能)の進歩が目覚ましく、様々な場面で目にすることが増えています。この進歩に対して、「AIが人間の仕事を奪ってしまう」という意見をよく耳にします。
     AIと言えば、まず仕事や作業の効率化が思い浮かびます。実際、AIの活用によってミスを減らしたり、労働時間を短縮したりすることが期待されています。また、労働力不足の問題を解決し、人間ができないような仕事を可能にすることで、新しい可能性が切り開けるとも考えられます。
     しかし、AIの進歩に伴い、新たな問題も浮上しています。例えば、誤作動やウイルス感染のリスクが増加することや、個人情報の流出といった社会的な問題が挙げられます。さらに、これらの問題が発生した場合、AI自体が責任を取ることはできません。
     AI化は、利点と問題が表裏一体となっています。「AIが仕事を奪う」といった懸念がある一方で、その利点を活かすことで新しい課題を解決する可能性もあります。ただし、AIには創造性が求められる仕事を完全に代替えすることは難しいでしょう。そのため、人間は自分の強みを活かし、今できる仕事を続けることが最善の選択となる場合もあるのです。

  • 上級Ⅱ「作文」 2024年秋学期

    日本のスーパーの肉はまずい

    テイ (中国)

     去年、日本に来たばかりの時、日本語が五十音さえ知らなかった私はお腹が空いていたから、スーパーで買い物することが必要でした。
     スーパーには色々な商品がいっぱいありますが、値段も高いです。「自分は日本語が全然わからないですが、安くて量も多い肉を買ったほうがいいかな」と思っていましたから、猫の絵が包装に印刷されていた肉を選んで買いました。
     その後、家に帰ってすぐにその肉を食べてしまいました。「どうして日本人はこんなおいしくない肉を好んで食べるんだろうか。もしたくさん食べたら、おいしく感じるようになるのかな」と思いました。そこで、我慢してまずいのに、一週間頑張って食べ続けましたが、結局はどうしても食べきれませんでした。ずっとそのまずい味に慣れることができませんでした。
     その一週間で同時に日本語も勉強して、やっとその肉のまずさの原因がわかりました。その肉はペットフードというものだったのです。猫の餌を一週間、一生懸命に食べていたのです。どうりでずっとおいしくなかったわけです。
     それから、二度とこんな食べ物を選ばないようにするため、餌を一生懸命食べるかわりに日本語を一生懸命勉強しようと思います。

     

     

    寂しさ

    エレナ(イタリア)

     中学校に通っていた頃、偶然アニメの世界を発見し、それ以来、日本に対する興味が芽生えました。私にこの興味をもたらしたアニメは「犬夜叉」でした。これは空想の作品で、現代の日本社会を反映しているわけではありませんが、日本の伝統的な文化に純粋な興味を抱かせてくれました。戦国時代を舞台に、日本の神話や信仰を基盤にしているため、さらに知識を深めたい思いが湧きました。
     この興味から、私は東アジアの言語、文化、社会を学ぶ大学に入学し、日本に関するすべて、つまり言語だけでなく、文化、歴史、宗教、文学なども学びました。その結果、日本に来る前に抱いていたイメージと、今の日本に対するイメージは全く変わっていません。だから、「日本の生活に慣れた?」と聞かれると、いつも「慣れるものなんて何もなかった」と答えます。
     日本文化に長年興味を持ってきたため、私の文化的な知識は日本の習慣、風習、伝統、物語、昔話、そして社会や文化の問題について深まりました。このため、初めて日本に来た時は、ずっと住んでいた国に引っ越したような感覚でした。もちろん、完全には理解していなかった部分もあり、その中でも少し残念に思ったのは、対人関係についてです。
     おそらくイタリア人である私は、人との関係を温かく、深く築くことに慣れていたためだと思いますが、ここで知り合った日本人の方々は、長く続く友情を築こうとする姿勢や新しい絆を作りたいという気持ちを見せることがあまりありませんでした。もしかしたら、いずれ去るかもしれない外国人との友情には、あまり関心がないのかもと、自分に言い聞かせて少し納得することもあります。この国に住んで一年半が経ちましたが、続いている新しい友情は一つだけで、それが少し寂しいです。ここでの唯一の心残りは、私はあまり積極的な性格ではないため、生活が少し孤独に感じられることです。